子宮筋腫
子宮筋腫とは
子宮筋腫とは、子宮の筋肉(子宮筋層)にできるコブ状の腫瘍で、良性腫瘍の一種です。
発生や増大には、エストロゲン(女性ホルモン)が関与していると考えられています。
多くは子宮体部に発生しますが、まれに子宮頸部や子宮膣部にできることもあります。
子宮筋腫の症状
子宮筋腫は良性腫瘍のため、すぐに治療が必要となるケースばかりではありません。
しかし、筋腫の大きさや発生部位によっては、以下のような症状がみられることがあります。
よくみられる症状
- 月経困難症
- 過多月経
- 不妊
筋腫が大きくなった場合の症状
筋腫が大きくなり、周囲の臓器を圧迫すると、以下のような症状が現れることがあります。
- 腰痛
- 頻尿
- 便秘
- 尿が出にくい(尿閉)
検査と経過観察について
経腹・経腟超音波検査やMRIなどの画像検査によって、悪性の疑いがなく、症状もほとんどない場合は、定期的な経過観察となります。
通常は、3〜6か月に1回程度の通院で、筋腫の大きさや症状の変化を確認していきます。
治療について
子宮筋腫の治療は、症状の有無・年齢・妊娠の希望などを考慮して選択します。
妊娠を希望される場合
症状があり、将来的に妊娠を希望される方には、以下の治療が検討されます。
- 薬物療法(低用量ピル、GnRH製剤など)
- 手術療法(筋腫核出術:筋腫のみを取り除く手術)
妊娠の希望がない場合
症状があり、将来的に妊娠の希望がない場合、
- 子宮全摘術
- 子宮動脈塞栓術
といった非可逆的治療が選択されることがあります。
ご相談ください
子宮筋腫は、症状がなければ経過観察で問題ないケースも多い疾患です。
一方で、症状が強い場合や生活に支障が出ている場合は、治療によって改善が期待できます。
月経量が多い、痛みが強い、不妊が気になるなど、気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
卵巣嚢腫
卵巣嚢腫とは
卵巣嚢腫とは、卵巣にできる腫瘍の総称で、多くは良性とされています。
袋状の形をしており、中には液体や脂肪などがたまっています。触れるとやわらかいことが特徴です。
はっきりとした発症原因はわかっておらず、初期には自覚症状が出にくいことも少なくありません。
卵巣嚢腫の症状
腫瘍が小さいうちは無症状のことも多いですが、大きくなると(こぶし大以上になることもあります)、以下のような症状が現れることがあります。
よくみられる症状
- お腹の張り・膨満感
- 下腹部の痛み
- 頻尿
注意が必要な症状
嚢腫が大きくなることで、卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん)を起こすことがあります。
この場合、突然、強い腹痛が起こることがあり、緊急の対応が必要になります。
卵巣嚢腫の種類
卵巣嚢腫は、主に以下の4つのタイプに分けられます。
漿液性嚢腫
最も多いタイプで、卵巣から分泌されるさらさらした液体(漿液)がたまったものです。
粘液性嚢腫
中にゼリー状の粘液がたまる嚢腫で、閉経後の女性にみられることがあります。
皮様性嚢腫
毛髪・歯・皮膚・脂肪などの組織を含む、ドロッとした内容物がたまる嚢腫です。
チョコレート嚢腫
卵巣にできた子宮内膜症で、古い血液がたまり、チョコレート状に見えることからこの名前がついています。
- 粘液性嚢腫を除き、20〜30代の性成熟期の女性に多いとされています。
検査について
卵巣嚢腫の診断では、以下のような検査を行います。
- 内診
- 経腟超音波検査
- MRI
- 血液検査(腫瘍マーカー など)
これらの結果をもとに、良性か悪性の可能性がないかを判断します。
治療について
経過観察となる場合
嚢腫が小さく、自覚症状がない場合は、定期的な検査による経過観察を行います。
手術療法が検討される場合
以下のような場合には、外科的治療が検討されます。
- 症状がある
- 嚢腫が大きい
- 妊娠している
- 悪性の可能性が否定できない
手術では、嚢腫のみを切除する方法や、必要に応じて卵巣の一部(または片側)を摘出する方法が選択されます。
卵巣は左右に1つずつあるため、状況に応じて妊娠への影響も考慮します。
気になる症状があればご相談ください
卵巣嚢腫は、無症状のまま経過することも多い疾患ですが、大きくなると急な痛みや合併症を起こすことがあります。
お腹の張りや違和感、突然の腹痛などが気になる場合は、早めにご相談ください。
子宮内膜症
子宮内膜症とは
子宮内膜症とは、本来は子宮の内側に存在する子宮内膜によく似た組織(子宮内膜様組織)が、子宮の外で発生・増殖する病気です。
これらの組織は、月経のたびに出血を起こしますが、子宮の外では血液の出口がないため、炎症や痛みを引き起こし、臓器同士が癒着する原因となります。
発生部位は骨盤内が最も多く、
- 卵巣
- 卵管
- 腹膜
- ダグラス窩
など、子宮周囲でみられることが大半です。
原因と発症しやすい年代
子宮内膜症のはっきりとした原因は、まだ解明されていません。
ただし、女性ホルモン(エストロゲン)が関与していると考えられており、エストロゲンの影響で内膜様組織が増殖することで発症するとされています。
エストロゲン分泌が活発な、20〜30代の女性に多くみられます。
子宮内膜症の症状
子宮内膜症の症状は、月経のたびに悪化していく傾向があります。
よくみられる症状
- 強い月経痛
- 慢性的な下腹部痛・骨盤痛
- 排便時の痛み
- 性交時の痛み
また、病変や癒着の影響により、不妊の原因となることもあります。
治療について
子宮内膜症の治療は、症状の強さ・年齢・妊娠の希望などを考慮して選択します。
対症療法
痛みを和らげる目的で、以下の治療が行われることがあります。
- 鎮痛薬(NSAIDs)
- 漢方薬
薬物療法
子宮内膜様組織の増殖を抑えるため、ホルモン療法を行います。
- 低用量ピル
- ジエノゲスト(黄体ホルモン製剤)
- GnRH製剤
手術療法
薬物療法の効果が不十分な場合や、卵巣の腫大・強い癒着がみられる場合には、手術療法が検討されます。
手術には、以下の2種類があります。
- 保存手術:子宮や卵巣を残し、腹腔鏡下で病巣の切除や癒着の剥離を行います。
- 根治手術:子宮や卵巣を摘出し、完治を目的とした手術です。
我慢せずご相談ください
子宮内膜症は、進行すると症状が強くなりやすい疾患です。
月経痛が年々ひどくなっている、痛みで日常生活に支障がある、不妊が気になる場合は、早めの受診が大切です。
症状やライフステージに合わせた治療をご提案しますので、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。